機械や器具の使用について十分な説明やマニュアルが無かった

機械や器具の使用について十分な説明やマニュアルが無かった

会社に入社した際、機械や道具などについて説明があると思います。

ただ、その際の説明は、単に「使い方」だけ説明をして、注意点や危険な個所等の説明を一切しない会社も少なくありません。

機械や道具の使い方についてマニュアルがない会社も少なくありません。

一定の特殊な機械等を扱うには、法定の教育を受けさせなければなりません。

機械の危険性を知らずに作業をした結果、まさかこんなところにカッターやチェーンがあるとは思わずに手を入れたことによって、指を切断したり、指がチェーンに巻き込まれたりといった事故が後を絶ちません。

労働安全衛生法で以下のように定められています。

安全衛生教育

第五十九条 事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。
2 前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。
3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。

このように、会社は、雇用時または作業内容が変更した際には安全又は衛生のための教育を行わなければなりません。
また、例えば、つり上げ荷重5トン未満のクレーン作業をさせるためには、特別教育を実施する必要があります(クレーン等安全規則第21条)。

会社が労働者に対してこのような教育を十分にせず、その結果として労災事故が生じた場合、会社に対して安全配慮義務違反を根拠に損害賠償請求が可能です。

安全教育が十分だったのか否か、また、不十分だったとして安全教育を受けていないことをどのように証明していくのかについては、ケースバイケースですので、一度、弁護士にご相談下さい。