指を切断した後に残った難治性疼痛(カウザルギー)を立証し、労災12級を超える賠償を会社から得た事例
(事故と障害の内容)
50代女性のご依頼者様が、麺製造工場のラインで、機械に詰まった生地を取り除こうとしたところ、駆動部のチェーンに左手の指を巻き込まれ、左人差し指を切断する大怪我を負った事例です。その後、受傷部から手にかけて、カウザルギー(CRPS)と疑われる難治性の神経障害性疼痛が残り、左人差し指の用を廃する状態となりました。労災では後遺障害12級9号が認定されました。
(ご依頼の経緯)
会社のラインには巻き込み防止のカバーが設置されておらず、安全教育も不十分でしたが、後遺障害の重さや過失をめぐって争いが予想されたため、ご依頼いただきました。
(受任後の活動)
切断という後遺障害は外形的には軽く見られがちですが、本件で残った慢性的な疼痛は、軽易な労務以外には常に支障が出るほど重いものでした。そこで、CRPSの診断基準や医学文献、ご本人の陳述書などを用いて、疼痛による労働能力の喪失を立証しました。会社が災害報告書で設備の安全基準の欠陥や安全教育の不備を自認していた資料も活用し、過失割合や安全配慮義務違反について主張しました。
(結果)
労災保険から休業補償・障害一時金として約850万円を受領した上で、訴訟上の和解により、会社から解決金730万円の支払いを受けました。
(解決のポイント)
指の切断のように一見軽微に見える事案でも、残存する疼痛の重さを医学的に立証することで、労災の認定等級を上回る賠償を会社から得られる場合があります。家事や日常生活への支障も含めて丁寧に主張し、女性の平均賃金を基礎に休業損害・逸失利益を主張した点もポイントです。












